FinePix F50fd (ISO100) 35mm F5.0 WB:日陰
『秋分』
写真をクリックすると大きな写真(300万画素。1200万画素から縮小して軽いシャープネスだけ掛けたもの)を表示します。
ドイツのフォトキナ2008(カメラ祭り)で、富士フイルムが、新方式のCCD「Super CCD EXR」を発表しました。
富士フイルムが「Super CCD EXR」を発表(海外のデジカメサイトdpreview.comさん)
http://www.dpreview.com/news/0809/08092210fujifilmEXR.asp
上のリンク先の真ん中辺りの図(赤,緑,青の並び図)から、従来と同じくハニカム配列のCCDであることがわかります。従来との違いは、画素の並び方を変えたことと、そのうちの「半分の画素数(隣同士の片方)」だけの感度を変化できることがポイントです。
(以下、CCDの少し難しい話で、言葉の解説など省いていますので、わかりにくいかもしれません。わかりにくかった場合、読み飛ばして右側の欄へ行ってください。)
基本は「ハニカムSRのCCD(明暗差に強いCCD。F700などに搭載)」に近いと思います。
というか、ハニカムではなく「ベイヤー(一般的なCCD)画素配列のSR型CCD」と言えるかもしれません。
従来の「ハニカムSR」と比べると、「2個1組のペア画素」がハニカムではなく、普通に並んでいる(一般的なCCDと同じベイヤー配列)ので、解像度面では普通のCCDと同様(SRと違ってハニカムの解像度優位は無し)になりそうです。
じゃあSRのほうが良さそうじゃん、という気もしますが、明暗差が大きい場面しか撮らないのなら、確かにそうです。
このEXR-CCDの凄そうな所は、SRと違い、「ペアになっている2つの画素」の感度を同等にもできる所です。こうして使うことで、従来のハニカムHR(F50fd,60fdやF100fdなどに搭載)に近い解像度重視のCCDとしても使えるようです。
ただし、従来のハニカムHRと比べると、画素の並び方の影響で「色の解像」がしづらそうです。従来のハニカムHR配列ですと、1画素の色を決めるときに「必ずその周囲にRGB画素が存在」していたため、だいぶ的確な補間処理ができていました。
それに対して、EXR-CCDは、4画素のうち1画素は「その周囲にRかBの画素が全く存在しない」状態で色を決めなくてはいけません。ですので、単純に考えて「ハニカムHRの4分の3(縦横75%)」程度の色解像度しか得られないことになります。
それでも、元々ハニカムHRも「2400万画素画像として出力したデータ」を縮小して1200万画素にしているようですので、今回のEXR-CCDも、2400万画素から1200万画素に縮小(縦横約71%縮小)することを考えると、それほど解像の落ちが目立つことは無さそうです。
(右に続きます)
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FinePix F50fd (ISO100) 35mm F5.0 WB:日陰
『サウスポー』
(左からの続きです)
まとめると、EXR-CCDは、「ハニカムSR」「ハニカムHR」それぞれの長所と比べてしまうと8〜9割ぐらいの性能なのかもしれません。
ですが、「1つのCCDで、相反するその2つのCCDの長所を両方使える」ところが、EXR-CCDの最大の特徴ではないでしょうか。バランスに優れた素晴らしいCCDになりそうです。
搭載したコンパクトデジカメの発売は、来年の春頃だそうで楽しみですね。
SRモード?(ダイナミックレンジ優先)と、HRモード?(解像度優先)とが、素早い操作で切り替えられると、このCCDの性能を生かした撮影ができそうです。
あと自分としては、ノイズ除去処理が強くない(or選択可能)ことと、シャープネス設定の復活を祈るのみです。
もう一つ大きな話題が。オリンパスから、ついに自分が待っていたデジカメのモックアップが発表になりました。
オリンパス、マイクロフォーサーズ試作モックアップを展示(デジカメWatchさん)
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/other/2008/09/23/9285.html
発売は来年のようですが、パンケーキレンズ込みで400gを割ってくるのは間違い無さそうです。シグマのDP1より若干大きめぐらいのようですので、自分としては、電池等込みの撮影時で300g前後辺りまで軽量化されることを期待しています。
あと、できれば、電源と連動した「自動開閉式のキャップ機構」がレンズに付いていると、本当に使い勝手がよくなると思います。コンパクトデジカメの素晴らしさの一つは、鞄やポッケから出してとっさに電源を入れても「すぐに撮影」できるところです。レンズ交換式タイプになっても、その素晴らしさを損なわないで欲しいと考えています。
このレンズキャップの問題があるため、自分の場合マイクロフォーサーズを買っても、F50fd(or今後F50fd以上の画質の「レンズキャップ自動開閉コンパクトデジカメ」が出たならばそれ)がまだまだ出動する機会も多くなるのかもしれません。
シグマからはDP2が発表されました。「41mm F2.8」の単焦点レンズ搭載です。
http://www.sigma-photo.co.jp/news/080923_dp2.htm
(メーカー公式発表)
カメラ本体の処理速度が改善されていれば注目です。
41mmという画角を持ってきたのも面白いですね。流行り?の28mmや24mmにはない、「(程よく)大きく写せる」良さがあるのではないかと思います。
宣伝のうまいパナソニックさんを始めとした「広く写せる」の風景写真の比較宣伝はインパクトがありますが、逆に人や動物・花などの比較写真を並べて「大きな顔で自然な遠近感で写せる」としてパナソニックさんが宣伝すると、単焦点なら40mm辺りが流行りになるのかもしれません。
今まで35〜40mmスタートのカメラを使っていた方が、28mmスタートのカメラに買い換えて、いつものように普段どおりに撮影してしまうと、主役の被写体は小さく写ってしまいます。人やペットの顔が小さく写ると、写真として顔が暗い感じに見えてしまいがちです。肌色の面積が少なくて周りが明るければ当然そうなります。(特にL判印刷鑑賞など)
ですので広角のズーム機は、「電源を入れたときの画角」を設定できることは必須のような気がします。昔のデジカメ(自分の使っていた6900zやF700も)は、電源を入れたときは広角よりもややズーム寄りの位置でスタートしていました。そこには心があった気がします。
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