FinePix F50fd (ISO100) 35mm F5.0 WB:日陰
『秋へ』
写真をクリックすると大きな写真(300万画素。1200万画素から縮小して軽いシャープネスだけ掛けたもの)を表示します。
新たに購入したF50fd(自分用2号機)に、自分としては「基準超えている」と感じた片ボケが見つかったため、修理してもらい、そして戻って来ました。
結論から言うと、戻ってきたF50fdは、自分の中でも「基準内だと思える」程度の解像落ち(片ボケとは言えない範囲)にまで直していただき、とても感謝しています。
ただ気になったのは、「修理報告書」に、富士フイルムのサービスステーション側としては「修理しない状態でも、基準内の性能(仕様の範囲内)」だと書かれてあったことでした。
もちろん製品には、性能のバラつき(個体差)があって、全てを完璧な状態で販売することが出来ない(値段が何倍にもなってしまう)ことは承知しています。
ですが、今回の片ボケの出具合は、自分としては基準内であって欲しくはなかったです。なぜなら、これが基準内だとしたなら、当たりハズレが怖くて、良いカメラでもフジのカメラを薦めづらくなってしまうからです。
自分の使い方では、A4印刷とスライドショー表示(1600x1200,1024x768)で、目立った片ボケが出たら「基準を超えている片ボケ」と感じます。おそらく、これは自分だけでなく、多くの方の実践的な使い方だと思います。
下記は、フジさんに修理に出したときに添付した写真(片ボケの写真)です。
片ボケ写真その1(3Mサイズ。クリックで写真を表示)…田園の風景の写真です。ピントは真ん中の木に合わせました。右側が最大で4分の1(等倍で約1000ピクセル)程度にまで、目立つ感じの不自然なボケが出ています。逆に左側は素晴らしい解像度(ガチピント)になってしまっています。
コンパクトデジカメに付き物の「端っこの収差」との決定的な違いは、「逆に反対側はボケるべきところでボケずに、通常よりもピントが合って写ってしまう」ことで、これが片ボケしている写真が不自然に見える理由です。
1024x768サイズのノートパソコンでのスライドショーでも、「普通に鑑賞」していて目立ってしまう感じです。片ボケしている範囲が大きい(1000ピクセルほどな)ので、おそらく、一クラス下の「片ボケしていないデジカメ」で撮ったほうが綺麗だと感じてしまうことになってしまうと思います。それではいくらなんでも使いたい気持ちになりません。
(右に続きます)
2008.9.21更新
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FinePix F50fd (ISO100) 35mm F5.0 WB:日陰
『桶の並び』
(左からの続きです)
片ボケ写真その2(3Mサイズ。クリックで写真を表示)…花壇の写真です。ピントは真ん中手前のオレンジの花辺りに合わせてあります(ほぼ日の丸ピント)。「左奥のピンクの花」や「その奥の白線や道路等」はクッキリですが、それよりピントに近い距離なはずの「右側の黄色い花群」が不自然にボケてしまっています。これも、1024x768サイズのスライドショーの大きさまで縮小しても目立ちます。
もしも、「右側の黄色い花群」の所に「人の顔」が写っていたなら、富士のサービスセンターの方にも伝わったのかもしれません。この写真の「ピンクの花群」「オレンジの花群」「黄色の花群」と同じような位置に「3人並んで写真を撮る」ケースは、結構頻繁にあるケースだと思います。L判印刷では恐らく気が付かなくて平気だと思いますが、みんなでPCで鑑賞しているときに、右側の子だけボヤけてしまっていたら可哀想です。黄色い花の範囲(右4分の1程度)は、主役の被写体も頻繁に写る範囲です。
修理時に、添付した片ボケ画像の「解説」は付けなかったので、フジさん側に伝わらなかったのかもしれません。それか、修理施設の検証の仕方が、平面なチャートを写してそれだけを基準にして判断されているのかもしれません。
F50fdは、どの個体も元々右端(or左端)に若干解像が悪い部分があるので、自分の使うサイズに縮小して問題がなければ、そのままで存分に使い続けるべきと思います。「本当に基準内の性能」だった場合、ヘタに修理に出してしまっても、変わらないか逆に悪くなってしまう可能性もありますので。
「メーカー側の基準」「一般消費者の基準」「各個人の基準」とそれぞれがあるので、この辺りの問題は難しいですね。今回、修理に出したF50fdは「一般消費者の基準」も超えていると感じましたので、修理に出しました。それは、メーカーに基準内だと言われても、全く変わることはありません。上に説明した通りの考えで、それだけは譲れません。
基準内としながらもフジのサービスセンターの方は、文句も言わずスムーズな対応で、直るまでに一週間は掛かりましたが、しっかりと修理していただけました(ありがとうございます)。まだ右側には若干解像の悪い部分は残っていますが許容範囲内で、うちの新F50fdは納得して使用できる相棒になりました。
おかげで、まだ当分の間、F50fdでバリバリと写真が撮れます。
ちなみに、上の写真『桶の並び』は、その修理していただいた新F50fdで撮った写真です。
クリックして300万画素サイズで目を凝らして見ると、右端後ろの立て札と植木がわずかにボケ気味なのがわかると思います。ですが、この範囲(約8分の1)ならば主役の被写体が入る可能性は低いため実用範囲内だと思います。修理前の状態は、この倍の範囲&ボケの程度も大きかったため、それは(一般的な基準でも)実用範囲外だったと思います。
1600x1200ドットのスライドショーで縮小鑑賞すると、全く目立たず左右のバランスもグッドですので、修理前とは大違いです。
やはり、最低限、主役の被写体が来ない部分&スライドショーで(通常鑑賞で)目立たないレベルのレンズ収差に抑えることは、「実用的な最低限の基準」ではないかと考えます。そうでないと、せっかく高性能なハニカムCCDを積んで「高画質」と宣伝しているのに、実は下位モデルよりも低画質だったという事になってしまいます。
これは、「カメラや写真のことをよく知らない人」にとっても重要なことだと思います。
この片ボケの花の写真は、「片ボケ」の現象を知らない方が見ても、黄色い花の部分が「綺麗だとは感じない」でしょう。これをカメラの不具合だとわからない方には、「所詮、写真の綺麗さはこんなものだ」と誤解されてしまい、写真を撮ることの楽しさに対してのテンションが下がってしまいかねません。
逆に、「片ボケなく」綺麗に写っていたとしたら、今まで写真やカメラに疎かった方も、写真を撮ることに対してより楽しく、積極的になる(撮影に関しても、カメラの購買に関しても)と思います。
ですので、初心者向けはもちろん、高画質の「フラッグシップ機」として出すカメラなら尚更、最低限の基準は持つべきです。
結果的に、それが商業的にも成功する核ではないでしょうか・・・。そんなことを抜きにしても、最低限の基準をクリアすることで、そのカメラを使う人の喜びが増すことは間違いありません。
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