FinePix F50fd (ISO100) 35mm F5.0 WB:日陰
『ベンチの上で行儀良く』
写真をクリックすると大きな写真(300万画素。1200万画素から縮小して軽いシャープネスだけ掛けたもの)を表示します。
前回書きました、富士フイルムの新しいCCD「SUPER CCD EXR」ですが、日本でも公式な発表がありました。
「スーパーCCD ハニカム EXR」のニュースリリース(富士フイルム)
http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/article/ffnr0225.html
海外のサイトでは「ハニカム」の文字がロゴになかったため、今回から名前に入れなくなったのかと思ったのですが、日本では公式に「スーパーCCD
ハニカム EXR」と発表されました。「ハニカムCCD」という名前はもう馴染んでいるので、これは少し嬉しいですね。
前回の補足ですが、前回書いた「ハニカムSRの長所(ワイドダイナミックレンジ)」と「ハニカムHRの長所(高解像度)」の融合(それぞれの能力と比べるとやや落ちる機構だけども、相反する2つの長所を持つ)に加えて、もうひとつ長所がありました。
その長所は「儀色の少ない画素混合」です。ペアになっている2つの画素を「1つの画素」のように見なすことで、高感度撮影でも大きなダイナミックレンジ(細やかな諧調)で撮影できそうです。
もっとシンプルに言うと「600万画素CCD(構造上、ハニカムではなく普通のベイヤー配列になります)としても使えるCCD」ということになると思います。1画素辺りの「光を受光する面積」が1200万画素CCDの約2倍になるので、感度を上げてもノイズが出にくくなりそうです。
(右に続きます)
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FinePix F50fd (ISO100) 35mm F5.0 WB:日陰
『恐らくお互いの顔見えず』
(左からの続きです)
「ハニカムSRの長所(ワイドダイナミックレンジ)」を受け継ぐハニカムEXRですが、ハニカムSRとは異なる所が一つあります。
ハニカムSRは「完全に受光感度が異なる」2つの画素をペアにしていましたが、ハニカムEXRは「通常の画素」と「受光時間を早めにシャットアウト(もしくは遅めに受光開始?)する画素」とのペアとなっています。
このためSRと違い、フラッシュ撮影などの「短時間(露光時間内)に明るさが変化する状況」では、ワイドダイナミックレンジの効果を得ることはできません。(実用上は、フラッシュ撮影する場面では通常のダイナミックレンジでも大丈夫そうな気はします)
あとワイドダイナミックレンジと言えば、だいぶ昔に三洋電機のデジカメ「MZ3」に「ワイドレンジショット」という機能がありました。「MZ3」のワイドレンジショットは、1回の撮影で2回シャッターが降りる(明部画像と暗部画像の時間差が大きい)ので、ペットや車など動いているものに対しては使うことが不可能な機能でした。
今回のハニカムEXRは、シャッターは1回だけで済みそうですので、もともと被写体ブレしないシャッター速度ならば、動くものに対しても問題なく使えそうです。
ところで少し話は飛びますが、今回掲載した『ベンチの上で行儀良く』の猫の写真の「左下のほうの暗部(地面)」に、よく見ると結構目立つタイプの縦筋ノイズが出ています。これは電源を入れたまま連続撮影(1分以上ぐらい)していると、暗部に出ることがあります。(特にISO200以上。今回ISO100ですが結構長く連続撮影していたので出たようです)
粒状のノイズは、味にもなり得るのです(むしろ好きです)が、この「縦筋系の1本ノイズ」やF100fdの高感度で出る「ピンク系のノイズ」は、300万画素サイズ以上の大きさで見るとノイズ嫌いではない自分でも気になります。
電源を入れたての熱がこもっていない状態では目立つほど出ないようです。ですので、「機械的な改良」で直りそうな問題ですので、この辺りもハニカムEXRでは改良されてくると嬉しいです。
このノイズは明部には出ないので、主役の被写体を邪魔することはなく、200万画素サイズぐらいに縮小すれば(個人差はあると思いますが)気にならなくなるので、実用上はそれほどは問題にならないと思います。
ただ、電源を入れっぱなしの連続撮影でも電源入れたての状態と同様に撮れれば、より素晴らしいCCDに進化できることは間違いないと思います。
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