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『でじかめ温泉』
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本当の「高画質」とは何か


こんにちは。いつも見てくださってありがとうございます。今回、本当の「高画質」とは何か。について考えてみました。

まず、デジカメWatchさんのこのページをご覧になってみてください。

ソニーW300で「ノイズリダクションを強(プラス)」の設定にして撮った写真
http://dc.watch.impress.co.jp/static/2008/07/w300/dsc06436.html (クリックすると別ウィンドウで開きます)
ソニーW300で「ノイズリダクションを弱(マイナス)」の設定にして撮った写真
http://dc.watch.impress.co.jp/static/2008/07/w300/dsc06434.html (クリックすると別ウィンドウで開きます)


一番違いがわかりやすい注目どころは、「みかんのヘタとその周辺」です。
「ノイズリダクションを強(プラス)」の写真は、みかんのヘタの周辺が不自然にボヤケてしまっているのがわかると思います。
「ノイズリダクションを弱(マイナス)」の写真は、みかんのヘタとその周囲の描写が自然に近い感じでできています。

「等倍画像でのチェック」は、当倍で画像を利用しない人にとっては意味のないものですので、50%縮小(300万画素)サイズでも見比べてみます。50%縮小でも、「ノイズリダクションを強(プラス)」の写真は、相変わらず、みかんのヘタとその周囲が不自然にボヤケています。
そして、ここがポイントです。「ノイズリダクションを弱(マイナス)」の写真は、自然さを保ちつつ、縮小の効果で、影などの暗部にあったノイズがほぼ消失しています。(50%縮小は、4画素の情報から1画素を作り出すので、S/N比(信号の正確さ)が上がります。「縮小」は、画像が小さくなりますが唯一副作用の無いノイズ除去処理にもなります。)

上の結果からハッキリと言えることがあります。低感度を「300万画素サイズ」で使う場合、強いノイズリダクションをしても効用がほとんどない(必要ない)のに、致命的な副作用だけが大きく出てしまっているのです。

これは、画面いっぱいの表示サイズ(1280x1024,1024x768など)への縮小に関しても、全く同じことが言えます。
強いノイズ除去(リダクション)処理をしているデジカメを使っている方は、スライドショーなどで写真を鑑賞する場合に、大きく画質を損なった(ボカシを入れれらた)写真を見せられていることになります。一般的なポピュラーな利用者にとっては、強いノイズ除去処理は、まさに百害あって一利なしなのです。

それでは逆に、強いノイズ除去処理の利点って何?と考えると、「等倍画像やあまり縮小しない状態でトリミング」をする場合には、解像を犠牲にしてノイズを除去することで、見栄えが良くなる(場合がある)利点があります。ただしその利点は、マニアックな方のためだけの狭い範囲での利点であって優先すべき利点では無いはずです。逆に、「ノイズ除去処理が弱い」ほうの広い範囲での利点(ポピュラーな使い方な「スライドショー鑑賞」等でディテールが残り不自然にならない)のほうがどれだけ大切でしょうか。

そのマニアック(悪い意味ではないです。私も時々大きくトリミングして使うことはあります)な方ならば、トリミングと同時に自分でノイズ除去の処理等も出来るはずで、マニアックな方にとってもノイズ除去処理は弱いほうが有難い(スライドショーやホームページ公開サイズなど、通常利用でもOKになる)のではないでしょうか。

メーカーさんが強すぎるノイズ除去処理をする理由が、「等倍画像チェッカーオンリーな方々(一部の雑誌ライターさんも含む)」への点数稼ぎだとしたら、それは写真を写真として楽しむ人にとっては、本当に残念なことです。

うわべで誤魔化す「高画質」ではなく、本当の「高画質」のためには、ノイズ処理は強くしないことは、必須な要素に思います。
例に挙げさせてもらった「ソニーのサイバーショットW300」ですが、「ノイズリダクションを弱(マイナス)」にすると、「フジのF50fd」と共に最近では数少ない、自然な解像で撮れるデジカメと感じました。本当は、「ノイズリダクションを弱(マイナス)」ぐらいの画質をデフォルト設定にしておくほうが良心的(通常利用の縮小鑑賞と印刷のために明らかに良い)なのではないかと思います。


「ノイズ除去処理を弱めで自然な解像重視」なデジカメと「ノイズ除去処理が強めでノッペリ」なデジカメの見分け方について書いておきます。
一眼タイプの中でも上位機は、さすがにノイズ除去処理が弱めで非常に自然な解像をします。一眼タイプでも廉価機の中には、F50fd(ISO100)やW300(ISO80)よりもだいぶ不自然な描写をするものもあるので、確かめてみてください。

海外のデジカメサイト「imaging-resource」さんのサイトの比較用写真で、それがある程度確かめられます。
http://www.imaging-resource.com/IMCOMP/COMPS01.HTM

主な機種用のリンクです。撮影日時は違いますが、同じ光の条件にて撮影されている「画質テスト用写真」です。
フジ「FinePix F50fd」で撮影された写真(ISO100) 「imaging-resource」のホームページ
フジ「FinePix F100fd」で撮影された写真(ISO100) 「imaging-resource」のホームページ
ソニー「W300」で撮影された写真(ISO80) 「imaging-resource」のホームページ
パナソニック「LX2」で撮影された写真(ISO100) 「imaging-resource」のホームページ
ニコン「Coolpix P5100」で撮影された写真(ISO64) 「imaging-resource」のホームページ
キヤノン「G9」で撮影された写真(ISO80) 「imaging-resource」のホームページ
オリンパス「SP-570」で撮影された写真(ISO64) 「imaging-resource」のホームページ
シグマ「DP1」で撮影された写真(ISO100) 「imaging-resource」のホームページ
オリンパス一眼「E-420」で撮影された写真(ISO100) 「imaging-resource」のホームページ
キヤノン一眼「40D」で撮影された写真(ISO100) 「imaging-resource」のホームページ

画像の注目ポイントは、左上のほうにある「黒に近い深緑の布(水色布と緑布の間にある布)」「木の葉模様の赤い布」です。
「深緑の布」の生地のザラザラ(ブツブツ)が無くなってしまっている機種は、ノイズ除去処理が強すぎる機種です。
同様に「赤い布」の木の葉の模様がボヤけて溶け込んでしまっている機種は、ノイズ除去処理が強すぎる機種です。
逆に、両方の質感を表現できている機種は、ノイズ除去処理が弱く質感の表現に優れる機種です。
(※レンズの性能が足りずに、ザラザラ(ブツブツ)がボヤけてしまっている機種もあるかもしれません)

そして、お手本として、プロ御用達の一眼二機種の写真を見てください。
ニコン一眼「D700」で撮影された写真(ISO100) 「imaging-resource」のホームページ
   (レンズやシャープネス処理が違うのかもしれないですが、高級機「D3」よりも良くなっている感じです。設定で調整はできそうですが…)
キヤノン一眼「1Ds MarkIII」で撮影された写真(ISO50) 「imaging-resource」のホームページ

この二機種に似た感じの再現が出来ているコンパクトデジカメは、どれでしょうか?
ノイズが少々残っていても、その再現ができているカメラこそ「高画質」なカメラと言えるのではないでしょうか。
なぜなら、少々のノイズは、縮小すれば消えてくれるからです。

ディテールを塗りつぶしてしまっているカメラは、何をしてもディテールが帰ってきません。代わりに質感の不自然さを呼び込みます
それは、「等倍だけで画像をチェックする方々」に対しては「高画質」をアピールできるのかもしれません。しかし実際の写真好きなユーザーは、そんなものを望んではいないはずです。

自分としては、どこかのメーカーに、「1200万画素CCD搭載。高画質300万画素出力デジカメ」というのを出してもらえればなぁと思っています。
デジカメWatchの実写速報で、DP1(シグマ製のフォビオン搭載デジカメ)の実写画像が出たときに、皆驚いたはずです。

それはDP1が良いというよりも(もちろん良いのですが)、他の普通のCCD(単色)デジカメの等倍画像が酷すぎる(単板CCDなので、最高級のフル一眼でさえCCDからの色情報量が足りないため、まともな等倍画像を作るのは理屈的に無理)からだと思います。

こんな状況ですので、例えば1/2.33型1000万画素CCDの廉価向けデジカメでも、「最大250万画素出力」に制限したものを出したとすると、そのデジカメは、デジカメWatchの実写速報で、かなりの評判になるはずです。

「他の普通のデジカメでも4分の1に縮小すれば、かなり綺麗な画質になる」ことを知っている方から見れば、ただのフェイクにしか見えないかもしれませんが、知らなかった方にとっては、DP1の写真を見たときと同じような衝撃を受けるでしょう。(うちが掲載しているF50fdの300万画素写真も、よく一眼で撮ったのではと間違われます。細かい所の諧調とかは比べる術も無いですが、大概の写真で「一眼の等倍」と比べたら「F50fdの300万画素」のほうが鑑賞したときに綺麗と言われると思います)

そうなれば、自然と「単色CCDデジカメの等倍画像は、駄目で当たり前」という認識が広まって、「等倍だけでチェックする方々(一部の雑誌ライターの方含む)」も減ってくれるのではないでしょうか。メーカーも、等倍画像のノイズよりも、ディテールを優先しやすくなります。


写真の本当の「高画質」とは何か。それは、「(画像ではなく)写真」「(チェックではなく)鑑賞」したときに、「出来る限り不自然さを感じさせない画質」のことではないだろうか。それが出来ていてこそ、ユーザーそれぞれの本当の「好画質」につながって行くのだと思います。

                                                                                2008.9.7更新
 

 
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