DP2 (ISO400) 41mm F3.2 [1/25s] RAW撮影&カスタム現像
『かっこいいコスチュームに包まれて』
写真をクリックすると大きな写真(470万画素。等倍サイズ画像)を表示します。
DP2 (ISO100) 41mm F5.0 RAW撮影&カスタム現像
『嬉しそうに日を浴びる』
写真をクリックすると大きな写真(470万画素。等倍サイズ画像)を表示します。
|
オリンパスのマイクロフォーサーズ機「E-P1」の実写サンプル写真が、海外の各所で公開され始めています。
「標準設定でのJPEG撮影」と思われるサンプル写真の画質は、ハッキリ言って良くないです。シャープネス処理が「等倍画像をターゲット」にしてしまっているため、強く掛かりすぎていて、実使用時(スライドショー鑑賞や印刷)に遠近感が乱れてしまっている画質だと感じました。
CMを担当している「宮崎あおい」さんは、現在「E-410」を愛用しているらしく、それに「E-P1」が加わったとしたら、そのやや硬調すぎる画質になって大丈夫なのかどうか心配です。
dpreview.comさんのサンプル写真を見てみてください。※等倍よりも、実際に使用する縮小サイズを眺めた印象(硬いか柔らかいか)が重要です。
オリンパス E-410 … E-410も自分的にはシャープネス処理が少し強いと思いますが1000万画素等倍がターゲットなので、E-P1ほどは硬くなっておらず、奥にあるものは奥に感じられると思います。E-420もE-410と同傾向です。
http://www.dpreview.com/gallery/olympuse410_samples/
オリンパス E-P1 + ズームレンズ等 … ピント範囲外も硬くなって(奥にあるはずのものの一部分だけがクッキリ手前に見えがち)しまっています。
http://www.dpreview.com/gallery/olympusep1_preview/
「アート(芸術)」としての画質を考えると、好みは人によって千差万別なので、シャープネスが強すぎる硬い画像も、ひとつの表現方法として成り立ちます。
ただ、「写真」としての画質として考えると、シャープネス処理が強すぎる画像は、遠近感が破綻してしまっているため、理屈的にも高画質とは言い難い画質ではないでしょうか。
おそらくオリンパスの開発者の方々も、「1200万画素の等倍画像」をターゲットにするあまり、前機種との「縮小された状態(実際によく使うサイズ,印刷された状態)での画質比較検証」が、満足には行われていない気がします。(存分に行っていて、縮小,印刷時の、あの硬い画質が一番ベストだと判断して発売したのだったら、ごめんなさい)
ただし、E-P1は色々設定できますので、解決策があります。JPEG撮影でも「シャープネスの設定」を弱めにすればいいですし、SDカードやハードディスクが安くなった現在では、全てRAW撮影して好みのシャープネスで現像してしまえば、この問題に関しては全く問題がなさそうです。
おそらく、私と同様のことを感じてだと思いますが、下のサイトで公開されている、「E-P1」の実写サンプル写真は、全て「シャープネス最低」の設定で撮られています。
オリンパス E-P1 + 34mmパンケーキレンズ
http://www.lenstip.com/1728-news-Olympus_E-P1_+_Olympus_M.Zuiko_Digital_17_mm_f_2.8__-_sample_shots.html
等倍画像からトリミングで使う方以外(つまりほとんどの方)は、強すぎないシャープネス設定で撮っておくのがベストに思います。
強すぎないシャープネス設定で撮っておけば、等倍トリミングしたくなった場合や、アートとして不自然でもシャープ感を強調したい場合にも、レタッチソフトで後からシャープネス処理を行うことができます。
逆に、強いシャープネス設定で撮ってしまった場合は、弱めシャープネス処理のような自然に近い遠近感に戻すことは不可能なのです。
つまり、「写真画質」から「アート画質」へは容易に加工できますが、 「アート画質」から「写真画質」へ戻すことはできないのです。
ですので、「等倍画像のシャープさとノイズだけで画質を判断する一部のレビュアーの方々」には不評になってしまうかもしれませんが、デフォルトでは「写真画質」であるべきだと考えます。
E-P1本体と同時発売の34mmパンケーキレンズは、コンパクトデジカメとしてはそれなりに良い部類なのではと思いますが、DP1やDP2と比べてしまうと、少し周辺の描写が甘い(絞っても)部分があるようです。
あと、色の感じやノイズなどは、まだサンプルが少ないので、またたくさんサンプルを見て、機会があれば書きたいと思います。
低感度の画質を優先ならば、残念ながらDP2とは比較にならない(DP2のほうが表現力が上)と感じます。高感度も、DP2は癖(暗い部分に緑や赤が被る。E-P1のような通常のCMOS,CCDのノイズよりも目立ちがち)はありますが、3層の解像力を生かした印象的な高感度写真が撮れます。
左上のお地蔵さんの写真はISO400です。屋根の暗い部分に緑被りが見られますが、フルサイズ最上機のISO400でも、これだけの布、石、ガラス、木、紙、金属の表現は難しいのではないでしょうか。
2009.6.21更新
|